fbpx

バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2020.04.6 Mon

天然ハーブを使ったハンガリー伝統の薬草酒「ウニクム」ウニクム愛が止まらない!
鹿山さんおすすめのウニクムカクテル

取材協力 Bar BenFiddich

日本でもっともウニクムを愛し、日本でもっともウニクムに精通していると自負するBar BenFiddichの鹿山博康さん。実は鹿山さん、あまりのウニクム愛から2019年にアンバサダーに就任しています。アンバサダーとしてウニクムの魅力をお話いただく他、鹿山さんがウニクムで「伝えたいカクテル」「つくりたいカクテル」を3つご紹介いただきました。(撮影場所:Bar BenFiddich)


ウニクムとはどのようなお酒ですか。

「およそ200年の歴史を持つハンガリーのお酒で、約40種類もの天然ハーブやスパイスでつくられている薬草酒です。ハンガリーでは国民的な健康酒として広く知られていて、甘味や苦味の中に様々なハーブやスパイスを感じられる非常に複雑な味わいが特徴です。僕も大好きな薬草酒のひとつです。」

鹿山さんが思うウニクムの魅力とは何ですか。

「18世紀にハンガリー全土を統治していたハプスブルク家の皇帝に、滋養強壮として献上していた歴史があります。その当時のレシピが今なお受け継がれているって素晴らしいことですよね。しかも、飲めば健康になれる。ウニクムは薬ではないですが、嗜好品としての薬草酒の魅力をもっと伝えていきたいです。」

鹿山さんはアンバサダーも務めていらっしゃいますね。

「アンバサダーになったのは、偶然の出会いからなんです。僕は、薬草酒に興味を持ち始めた頃から、ウニクムが大好きでした。ヴィンテージボトルもコレクションしていて、2017年には蒸溜所にも行きました。ある日、ウニクムの製造会社であるツヴァック社の社長夫妻が店に来たんです。しかもたまたま。カウンター越しに、僕がウニクムを好きなことや蒸溜所も訪問したことなど、ウニクム愛を熱く語って、おまけにコレクションの中から1960年のボトルも見せびらかしたりしてたんです(笑)。そうしたら社長婦人が突然泣き出してしまって。聞くと、60年代はハンガリーが共産主義体制になり工場は国有化され、ツヴァック一族は亡命。持ち出した秘伝のレシピでイタリアのミラノでウニクムをつくり続けていたという苦難の時代だったんです。

社長夫人からすると、辛い時代につくった私たちの大切なお酒が、遥か遠い日本という国で、しかもたまたま入ったバーで出合えるなんて、という想いだったんでしょうね。それからしばらくして、ツヴァック社から直々にアンバサダーの依頼がありました。嬉しかったですよ。」


鹿山 博康(かやま ひろやす)
「Bar BenFiddich」オーナーバーテンダー。カクテルに使用するハーブ等を自ら栽培するほど薬草に関する造詣が深く、ハーブ、スパイスを使ったミクソロジー・カクテルを提供。国内外からもっとも注目を集めるバーテンダーの一人。



鹿山さんがコレクションする1960年につくられたヴィンテージのウニクム。

日本でウニクムの魅力をどう伝えていきたいですか。

「日本ではウニクムのような複雑味があるお酒の認知度はまだ低いです。例えば、僕が子供の頃、パクチーなんて罰ゲームみたいだったじゃないですか(笑)。でも今はパクチー好きもたくさんいて、だんだんと時間をかけるとそれが正義になる。だから、ウニクムも徐々に受け入れられていくと思っています。数年前からハーブやスパイスが流行っていて、興味を持つ人たちが増えていますからね。ただ、ハーブやスパイス自体を具現化したお酒に注目が集まりがちですが、実は薬草酒ってそのハーブやスパイスの集合体なんですよ、ということを知ってほしいです。薬草酒はどうしてもファーストアタックが苦い、甘い、で止まっちゃいますけど、そこをもう少し掘り下げていくと、ローズマリーだったり、シナモンだったり、個々のボタニカルを感じとれるようになる。そして、その中にいろんなハーブやスパイスがあってひとつの作品になっていることがだんだんと分かってくるんです。薬草酒は素晴らしいひとつのボトルドカクテルなんですよね。」

ウニクムの水割り
「ヨーロッパで薬草酒が流行ったのは1800年代。当時は水質がよくなかったことから、殺菌として水にアルコールを入れて飲む水割りの文化がありました。そのオマージュとして、僕がぜひおすすめしたいのがウニクムの水割りです。例えば、ウイスキーって水割りにするとそのウイスキーが持つ本来の個性を感じ取れるじゃないですか。薬草酒も水を加えて度数を下げることで、個々のハーブやスパイスをより感じ取れるようになるんです。「あ、これって」とか「あのハーブの香りがするな」って分かってくる。水割りによってそういう世界感を広めていきたいんです。ウイスキーの水割りが日本で流行ったように、リキュールの水割りも流行るといいなって思っています。」


[レシピ]
◎ウニクム/45ml
◎水/60ml
◎オレンジピール/1枚

[つくり方]
氷の入ったミキシンググラスにウニクムを注ぎ、水を加えてステア。グラスに注ぎオレンジピールを絞る。



フレッシュ ウニクム スノーボール
「これは、アドヴォカートという卵を使ったリキュールでつくるスタンダードカクテル、スノーボールをツイストしたものです。滋養強壮として成り立つウニクムに、これまた滋養強壮の卵黄を使った、まさしく「健康でしかない」カクテルですね(笑)。最後にジンジャーエールでアップするので、ますます元気になる感じです。」

[レシピ]
◎ウニクム/45ml
◎卵黄/2個分
◎砂糖/1tsp
◎レモンジュース/1tsp
◎レモンピール、ライムピールのゼスト/適量
◎ジンジャーエール/適量
◎トンカビーンズ/適量

[つくり方]
ボウルに卵黄、砂糖、レモンピール、ライムピールを入れよく混ぜる。ウニクムを注ぎ、レモンジュースを入れ再び混ぜる。シェーカーに氷とともに入れシェーク。グラスに注ぎジンジャーエールで満たし、トンカビーンズをゼストする。




ウニプレッソマティーニ
「これはもう世界中で流行っているエスプレッソマティーニの亜種として。エスプレッソの苦味とウニクムの持つ薬草種の苦味、そのあたりの絶対的なバランス感を楽しめる王道カクテルです。ウニクムはイタリアでアマーロという苦味酒にカテゴライズされていて、アマーロは食後酒としてコーヒーと一緒に供されるんです。だから、ウニプレッソなんていいですよね(笑)。」

[レシピ]
◎ウニクム/45ml
◎エスプレッソ/60ml
◎シロップ/1tsp
◎チョコレート(ビター)/適量

[つくり方]
シェーカーにウニクムを注ぎ、エスプレッソ、シロップを入れシェーク。グラスに注ぎチョコレートをゼストする。



 
ウニクムの詳しい商品情報はこちらをご覧ください。https://www.bar-times.com/contents/79535/


BAR TIMES メールマガジン登録
バーやカクテルの最新情報をメールマガジンでお届けします。メールアドレスを入力してお申込みください。
 

   

BAR TIMES INFORMATION

関連記事はこちら

PAGE TOP