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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2021.09.29 Wed

BARの、あのジントニックジントニックに必要な柱は3本。
「清涼感」「喉越し」「余韻」です

— The SG Club 渡辺高弘さんの場合 —
国内売上No.1(※)ジン
伝統を守り継ぐブランド、「ビーフィーター」


ブランド誕生以来、変わらぬレシピを守り続け、今なおロンドン市内で蒸溜されているビーフィーター。

厳選された9種類のボタニカル(ジュニパーベリー・レモンピール・セビルオレンジピール・アーモンド・オリスルート・コリアンダーシード・アンジェリカルート・リコリス・アンジェリカシード)とこだわりの製法によって生み出されたその味わいは、クリーンな風味と爽やかな柑橘香が特長です。世界中のバーテンダーから愛されているロンドンドライジンの代表格です。

ブランドサイト http://beefeater.jp/gin/

(※)IWSR2020日本国内におけるジン販売数量に基づく


バーにおいて絶対的な人気を誇るジントニック。ロングドリンクでは少なくとも十数年は不動の地位を得ているのではないでしょうか。さらに、バーテンダーにとってもジントニックほどとことん追求するに値するカクテルはないといいます。その秘密は何なのか。ロンドンドライジンを代表する『ビーフィーター』をベースにしたジントニックについて、国内外の人気バーで、その秘密を探るとともに、ジントニックへのこだわりをご紹介します。

The SG Club(東京・渋谷)渡辺 高弘さんのジントニック

渡辺 高弘(わたなべ たかひろ)
1969年生まれ、東京都出身。1990年、京王プラザホテル入社。2000年より、フレアバーテンディングを始める。2002年「ビーフィーター日本大会」優勝、同世界大会総合3位。2008年「HBA(日本ホテルメンバーズ協会)クラシック創作カクテルコンペティション」グランプリ受賞。2015年、「BAR EL CARVADOR」を開店。2019年1月より、「The SG Club」の会員制シガーバー「Savor(セイバー)」のバーテンダーとなる。


バーテンダーの物心ついた時から、ジントニックはビーフィーターでした

僕がバーテンダーの世界に入ったのは、ホテルバーからのスタートでした。いろんなジンを扱ってきましたが、バーテンダーとしての物心がついた時からジントニックのジンはデフォルトで「ビーフィーター ジン47度」でした。ビーフィーターの日本大会で優勝し、ロンドンで開催された世界大会に参加させてもらった時は、現地でなにかにつけ何十杯ものジントニックを飲ませてもらいましたね(笑)。忘れられない経験ですし、いい思い出になっています。


キーボタニカルのレモンピール、セビルオレンジピールは、ビーフィーターの特徴である爽やかな柑橘香を生み出す大きな役割を担っています。

ビーフィーター ジンは、ジュニパーベリーがしっかりきいていて、レモンピールやセビルオレンジピールの柑橘の爽やかさがある。そして、苦みや酒精の強さも感じられる。ジントニックは、喉を潤すだけではなく、ひとつのカクテルとして極め甲斐があるカクテルです。その点でも、オーソドックスでいて、清涼感があるのにプレーンな飲み心地の「ビーフィーター ジン47度」に魅力を感じます。



「バーテンダーの世界に入った時から、ジントニックは当たり前のように『ビーフィーター』でつくっていました。」と渡辺さん
ジントニックに必要な「清涼感」「喉越し」「余韻」を左右する、「ライムジュース」「温度」「ジンの度数」ジントニックには、3つの柱が必要だと思っています。「清涼感」「喉越し」、そして「余韻」です。
清涼感を生むきれいな味わいは、ライムの扱い方が大きく左右します。下手に扱うと苦みや雑味が出てしまいます。ライムは柔らかく果汁の多いものを選び、えぐみが出ないようヘタは大きくえぐり取ります。搾っておいたものではなく、グラスに直接搾り入れるフレッシュなジュースでつくります。それも軸の周りの苦味の強い部分を避け、果肉部分を両手で一気に搾った方が甘味も感じれられます。ジュースのクリアな味わいをキープするために、皮はグラスに入れません。皮を入れるとそこに含まれるオイル分が入ってしまうのです。ジンが持つジュニパーベリーの風味とトニックウォーター以外のほろ苦さは加えたくないので、ピールを振りかけ、香りのみをまとわせます。
喉越しのよさを生むには、温度が重要です。ぬるすぎるのはもちろん、冷たすぎてもよくありません。カクテルのコンペティションなどでは、飲むのはひと口ですが、実際のお客様は一杯を召し上がるのですから。ひと口目から最後までおいしく飲めるようにつくるためには、とくにトニックウォーターの保冷が大事ですね。炭酸飲料のガスの融和性というのは、冷えている方がガスが溶け込みやすいものです。逆にぬるいと炭酸がどんどん抜けていってしまいます。
そして余韻は、飲みごたえと深く関わっています。それが「ビーフィーター ジン 47度」を選ぶ理由です。僕が思うカクテルのおいしさとは、甘味と酸味のバランスに加えて、酒精のバランスも絶妙に取れているものです。「ビーフィーター ジン 47度」には、飲みこんだ後に胃の奥の方からジュニパーベリーの香りがふわりと鼻に抜けてくるような感覚があるのです。でも度数が高ければいいというものでもなく、たとえばホワイトレディなどは40度でつくりたい。ジントニックに関しては、僕にとってのベストバランスが47度なのです。


ライムは果肉部分を両手で一気に搾り入れます

最後は一度のみ軽く氷を持ち上げる


The SG CLUB SAVOR(東京・渋谷)渡辺高弘さんのジントニック 

ジントニック レシピ
◎ビーフィーター ジン 47度(冷凍庫で保冷):30ml
◎フレッシュライムジュース:1/4カット分
◎トニックウォーター(冷蔵庫で保冷):120ml
つくり方
グラスに両手で一気にライムを搾り入れ、氷(分量外)を入れる。ビーフィーター ジンを注ぎ、ステアする。 トニックウォーターを氷に当てないように注ぎ、一度のみ、軽く、氷を底から持ち上げる。 最初に入れたライムのピールを、グラスに対して45度の角度から振りかける。


The SG Clubについて
2018年6月オープン。世界で数々の受賞歴を持つファウンダー・後閑信吾さん率いるバーテンダーカンパニー「SG Group」の日本1号店となる。カクテルをカジュアルに楽しめる1階の「Guzzle(ガズル)」、ゆっくり味わう地下1階の「Sip(シップ)」、そしてシガーが楽しめる会員制フロアの2階「Savor(セイバー)」(※コロナ禍においては会員でなくとも入店可能)の3フロアからなる。
「Savor(セイバー)」のコンセプトは、「江戸時代にキューバを訪れた日本の侍が、帰国後に開いたバー」。数寄屋的な建築の意匠にキューバンディテールを盛り込み、遊び心を織り交ぜた空間が広がる。カクテルは、シガーとのペアリングを提案。葉巻初心者が訪れることも多く、ここで葉巻デビューをする客も少なくない。


取材協力 / サントリースピリッツ株式会社


The SG Club「Savor」

   

BAR TIMES INFORMATION

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